多法人スキームは期限の利益を喪失する?!ナイナイ。

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おはようございます。

いつも全力のイクメン大家です。

さてどこかのアホなコンサルが自分の過去の悪事(二重売買契約、蒸しなど)は棚に上げて、1物件1法人または1銀行1法人の多法人スキームは期限の利益を喪失するのに値すると吠えているようです。

本日の記事は多法人スキームが期限の利益の喪失に当たらない点について解説したいと思います。

期限の利益の喪失には大きく2つ項目があります。
1.当然喪失
ある特定の事態が発生した場合に、銀行から通知がなくても当然に期限の利益を喪失し、融資を直ちに一括返済しなければならないことがあり、これを期限の利益の当然喪失と呼んでいます。

具体的には「事実が客観的に明白であり、その信用回復が不可能か著しく困難」な、倒産、支払不能、不渡り、営業停止等が該当します。
ー>基本的には毎月ちゃんと返済して、しっかり賃貸経営出来ていれば問題ありません。
また「多法人スキーム」自体はこれには該当しませんので問題ありません。
2.請求喪失
一定の事態が発生した場合、銀行から一括返済を請求されることがあり、これを期限の利益の請求喪失と呼んでいます。
ではどんな場合に銀行から一括返済を請求されるのか?

これについては、銀行取引約定書第5条第2項に規定されています。どこの銀行もほぼ同じ契約書面を利用します。

以下抜粋:甲(債務者=我々投資家)、乙(債権者=銀行)
1.甲が乙に対する債務の一部でも履行を遅滞したとき。
2.担保の目的物について差押、または競売手続の開始があったとき。
3.甲が乙との取引約定に違反したとき、または第14条に基づく乙への報告もしくは乙へ提
出する財務状況を示す書類に重大な虚偽の内容がある等の事由が生じたとき。
4.甲の責めに帰すべき事由によって、乙に甲の所在が不明となったとき。
5.甲が暴力団員等もしくは第15条第1項各号のいずれかに該当し、
もしくは同条第2項各号のいずれかに該当する行為をし、または同条第1項の規定に基づく表明・確約に

関して虚偽の申告をしたことが判明したとき。
6.甲が振り出した手形の不渡りがあり、かつ、甲が発生記録をした電子記録債権が支払
不能となったとき(不渡りおよび支払不能が6か月以内に生じた場合に限る)。
7.保証人が前項または本項の各号の一つにでも該当したとき。
8.前各号に準じるような債権保全を必要とする相当の事由が生じたと客観的に認められるとき。

以上

要約しますと、債務支払の不履行、延滞、第三者の差し押え、著しい担保毀損、明白な契約違反等が該当します。
ー>「多法人スキーム」はこれに該当するか?

該当しません。

強いて挙げるなら銀行取引約定書第5条第2項8番にある、「相当の事由が生じたと客観的に認められる」にあたると主張する方もいるかもしれません。

ではこの点を紐解きます。

金消時に別法人の存在を言わなかった事が「相当な事由」に該当するかですが、正直申し上げてこの点は金融機関側の調査不足となります。

もし金消時に「他に法人持ってますか?」と訊かれて「持ってません」と嘘の回答をした場合でも、これを理由に期限の利益の喪失を主張することは出来ません。

例えば全銀協では、一定の要件に基づき銀行側が期限の利益を喪失させることができる旨の条項を個別契約にする場合には、

取引の性質と銀行の公共性に鑑み「消費者の信用状態が著しく低下すると認められる等、取引継続が困難と判断される合理的な根拠」があるか、又は「消費者の有する期限の権利を喪失させるに足る重要な事実にもとづくもの」に限定しており、「些細な事実に基づいて消費者の期限の利益を奪うものとなっていないかを十分に検討しなければならない」と厳密に定義されている。

下記参照:
さらに期限の利益の喪失の判断は「契約内で可能な限り明確化を図るべきである」とあります。

金消締結時に「他に法人持ってますか?」と訊かれて「持ってません」と嘘の回答をしたことを理由として期限の利益の喪失を発動することを可能とさせるための法的要件は、「銀行取引約定書」や「金銭消費貸借契約証書」に喪失の理由を明確に記載する必要があります。

しかし現在の「請求喪失」の記載は、どこの金融機関も、債務支払の不履行、延滞、第三者の差し押え、著しい担保毀損、明白な契約違反等、債務保全を必要とする相当の事由が生じたときのみにほぼ限定されていますので、金消締結時に「他に法人持ってますか?」と訊かれて「持ってません」と嘘の回答をしたことで、実質的に期限の利益の請求喪失が発動される事はありません。

「請求喪失」の記載がどこの銀行もほぼ同じような文面で限定されている理由ですが、(平成12年に廃止)未だに全銀協の銀行取引約定書のひな型を利用している銀行が多い事によります。

この点を鹿児島大学が調査した興味深い内容が公開されていましたので引用させていただきます。
このレポートは地銀、信金など44行に対して、44行が利用している銀行取引約定書と全銀協が出していた銀行取引約定書のひな型との比較をしているものです。

以下抜粋:
① ひな型5条2項1号ひな型5条2項1号の⽂⾔に,変更を加えないものが40⾏,「甲が債務の全部または⼀部の履⾏を遅滞したとき」とするものが4⾏みられた。
② ひな型5条2項2号ひな型5条2項2号の⽂⾔を,変更ないし削除するものは⾒られなかった。
③ ひな型5条2項3号ひな型5条2項3号の⽂⾔に,変更を加えないものが37⾏,「甲が⼄とのいっさいの取引約定の⼀つにでも違反したとき」とするものが1⾏,甲が⼄との取引約定に違反し,「それが⼄の債権保全を必要とする相当の事由に該当するとき」とするものが4⾏,「それにより⼄との信頼関係を喪失させたとき」,「それにより⼄の債権保全上⽀障があると認められるとき」とするものが各1⾏みられた*37。 
④ ひな型5条2項4号ひな型5条2項4号の⽂⾔に,変更を加えないものが41⾏,本条項を削除するものが3⾏みられた。
⑤ ひな型5条2項5号ひな型5条2項5号の⽂⾔に,変更を加えないものが17⾏,「前各号に準じるような債権保全を必要とする相当の事由が⽣じたとき」とするものが14⾏,「前各号の他,⼄の債権保全を必要とする相当の事由が客観的に⽣じたとき」とするものが8⾏,「前各号の他,甲の債務の弁済に⽀障をきたす相当の事由銀⾏取引約定書ひな型廃⽌後の銀⾏取引約定書改訂動向⑴− 119 −が⽣じたとき」とするものが4⾏,「前各号の他,甲の信⽤状態に著しい変化が⽣じるなど債権保全を必要とする相当の事由が⽣じたとき」とするものが1⾏みられた。

つまり、ほとんどの銀行が銀行取引約定書のひな型を踏襲している関係で現行の「請求喪失」の記載だけでは、多法人スキームだけが理由で期限の喪失を請求または通知することは出来ません。

ただしもし嘘ついたと行員に知られると印象が悪くなりますので、追加融資が受けれないや金利上昇のリスクなどがあるということを理解しておく必要があります。

経験則上ですが、銀行員もそれを知っている場合もあります。

でもあえて聞いてこない(笑)。

実際今までに「他に法人ありますか?」など聞かれたことはありません。

聞くとパンドラの箱を開ける事を行員も知っているからだと思います。

イクメン大家は正直なのではつきません。は大嫌いです。

聞かれたらしっかりとお答えします。

「他に法人ありますか?」ー>「もし気になるのであれば御行で調べていただいても構いませんよ。」と(笑)。

このスキームが禁止になるだけで融資貸出額はガクッと減るでしょう。
それを今の銀行が本当に求めているのか?という本質的な問題に突入します。

最後に「多法人スキーム」自体は違法でもなく何ら問題はありません。
本業の法人以外にサブの法人を持つ(サブ法人はメインバンクには伝えていない)例は普通にあります。

はい、我々投資家は今のうちにガンガン行きましょう!


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イクメン大家こと
成見 郷(なるみ ごう)と申します。

2006年に1棟目の不動産投資物件を購入してからこの世界に入りました。

2014年から本格的に買い進め、現在は日本全国にマンション、アパート、収益ビル、老人ホーム、シェアハウスなどを保有する規模に拡大している現役サラリーマン大家です。

会員制 不動産投資クラブ【For The WIN】の会長として、資産10億円を実現するサラリーマン・経営者の方に向けてブログに書けない実践的な不動産投資勉強会を開催しています。

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